お客様の声(VOC)活用を顧客目線で考える

VOC

お客様の声(VOC)活用の現状は?

各社にお客様の声(VOC)の件でお話をお伺いすると、皆さん次の様に話をされる。

実は、お客様の声は集めてるんですけど、活用には至ってないんです・・・

更には、こんなお話も・・・

ちょっと手をやいていて・・・使いみちが無いので事実上捨ててるみたいなもので

(1)VOC収集方法を分析してみると-

VOCを考察するために、収集方法から考えてみる事にします。
VOCの収集には大きく分けて2種類あります
voc顧客の声
【A】 明確な目的があるVOC収集・・・期間を区切り、特典を付け目標数を獲得
【B】 結果的に集まる VOC収集・・・顧客接点で付加的に収集された情報
【A】 は、アンケートが該当し、商品企画・マーケティング企画等、「顧客の意見を聞く」という業務上のプロセスとして利用されます。例えばAという新商品のコンセプトが消費者に賛同されるかどうかの社内稟議の裏付け資料であったりします。
【B】 のVOC収集は、何か「別の目的」の中で付加情報として与えられたものです。受注専用のコールセンターで収集された「声」、お客様相談室に寄せられた「声」などが該当します。

(2)VOCを顧客目線で見てみると-

VOC顧客のタイミング
お客様の「声」(VOC)を顧客目線から見てみることにしましょう。
【A】の場合は、完全に企業側の都合であり、企業側が設定したタイミングが起点です。「今週中に入手しないといけないから」「予算の都合」等々あまり顧客側の事を考えずに収集する傾向があります。
仕事中、道を歩いていて「モニター調査にご協力頂けませんか?」という声をかけられたことがあります。「新しい飲料の調査なのですが・・・」と言われて、好奇心でつい協力した事があります。
その場で、数種類の飲料を飲み比べ、どれが好みかを応える調査ですが、仕事中に飲む類の飲料でも無く、おまけに時間を気にしながらの調査で、相手の求める答えを出したとは思わない経験があります。
顧客側には、顧客側のタイミングがあるのです。

それに比べて【B】の場合は、完全に顧客側のタイミングです。選定時のVOCであり、購入決定時のVOCです。どちらが的を得ている情報かというと、【B】のほうが的を得たVOCであるのは間違いありません。
しかし、【B】のVOCは、企業側に受け入れ準備が無いタイミングに集まるVOCなので、いくら貴重なデータでも活用に直接つなげにくいのです。

結果、【B】のVOCは、貴重なデータという認識はあるものの、活用できず・捨てるのはもったいないので保管するという構図につながっていると推察できます。

(3)VOC活用の解決方向

【B】のVOC活用にへの、解決の方向性として2案考えられます。
■案1■ 【B】のVOCを分析用に蓄積・DB化し、企業側ニーズに合わせて検索・分析

これは、理想の姿ですが、現実に向けては大きな課題があります。

【B】のVOCデータを分析できる品質・量を確保し続ける必要があるのです。いくら貴重なデータでも、大量に集まるわけではなく、またそのデータは、活用軸と必ずしも合致しているわけではありません。将来的には可能になるでしょうが、現実から考えると困難な方向性です。

■案2■ 「企業側のタイミング」と「顧客のタイミング」が合致した環境をつくりだす。

企業側のニーズが起点ですが、顧客側にタイミングを合わせてもらいましょう、という話です。ちょっと都合が良すぎる話に思いますが、現実的に行われている例を元に検討してみる事にします。

(4)VOC収集を手法をセミナーに例えれば

企業側と顧客側のタイミングにずれがあり、それがVOC活用の課題であると整理してきました。そして、VOCのタイミングを合致できればそれが課題解決となるかもしれません。

一般的に行われている、「セミナー」を例にとって考えてみます。
企業側は顧客に対して「セミナー」という場の告知をします。これは、企業のタイミングです。
顧客は、企業に合わせる形で出席・聴講し、時間を共有します。聴講している時間は実は「顧客のタイミング」です。
「セミナー」の最後にはアンケート記入用紙が配布されます。一見、これは企業のタイミングに見えますが、実は顧客のタイミングでもあるのです。企業と顧客のタイミングが共存している事例です。
「セミナー」終了後のアンケート回答率が高く、内容レベルが高いのもご周知のとおりでしょう。(アンケートの設計内容によりますけど)
つまり、企業と顧客が一緒に過ごす「時間」を作れば、タイミングを共存する事ができるのです。

(5)VOC収集・効率的手法は?

そうは言っても有意義な「セミナー」を開催するのは大きな手間と費用がかかります。
弊社では擬似的「セミナー」をWebで実施する手法と、「声」を大量入手する方法を研究・開発し、実証実験を通してサービス化に至りました。
効果を実証している、一部のロジックをここでご紹介致します。

セミナーを機能に分解してみる

1,参加・誘導するための仕掛け・・・まずは会場に足を運んでもらう「理由」が必要です

  • 会場の魅力
  • 参加の特典
  • 講師の魅力

2,時間を共有する仕掛・・・途中で帰らずに最後まで参加頂く仕組が必要です
3,次の行動に誘導する仕掛・・・「声」を残して頂き、同時に行動に誘導する仕掛が必要です
上記の機能をWebで実現できれば、企業側のタイミングと顧客のタイミングを合致させたVOCを収集することが可能になり、アンケートとは比較にならない「質」のVOC大量収集が可能になります。
弊社では、それをクラウド・サービス上で実現しています。※スマートビンゴで実現
voc顧客の声

(6)VOCを効果的収集したら何がわかった?

「企業のタイミング」と「顧客のタイミング」を合致させると・・・
顧客の潜在欲求が吹き出しました
まるで、隠れたマグマが火山の噴火の様に表に出てきます。

特に、リテンション領域(初回購入後・顧客維持のステージ)では顕著に現れました。

■相手(企業・商品)を知りたい

■相手(企業)を応援したい

という欲求が堰を切ったように溢れ出します。
アンケートとは全く異なる、「顧客のタイミング」で収集した声が大量に集まり、他のデータと紐付けて分析する事により、今まで容易に見えなかった「顧客インサイト」が浮き彫りになりつつあり、効果的な活用手法を開発中です。
一部をご紹介します
vocの分析手法
某・通販企業様の例ですが、顧客ステップ毎にデータ分類し、VOC分析を実施することにより、それぞれのステージで「顧客が何を求めているか(インサイト)」が明るみになりました。
「未購入客」と「購入経験有る客」とでは、同じ商品であっても当然ですがVOC内容は異なります。
「未購入客」のVOCからは、どの訴求ポイントに興味を持たれるのかが明確になり、広告のキャッチコピー選定に有効です。「離反した顧客」のVOCは、再購入の喚起に役立ちます。
また、継続購入者からの改善要望は信憑性の高い内容として、製品企画・開発に直結するデータとなります。

(7)VOCを効果的活用について

弊社では、VOC活用に関し、研究・開発を継続して実施しています。

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