シニア向けECマーケティング(1)

シニア向けEC

「シニア層向けEC」って、なかなかうまく進まない・・・

というお話をお客様からよくお聞きします。
 
また、シニア向け企画されている担当者の方とお話して出てくるのは・・・
「情報リテラシーが無いから無理なんじゃない?」
「ボタンを大きくすれば、シニア向けですよね~」
というお話ばかりで、成功事例には結びつきません。
 
シニア向けECの市場は大きく伸びるビジネスチャンスであり、各社取組を検討していますが、
なかなか成功に結びつかないのは何故でしょう?
 

ECへのニーズが無いからでしょうか?

総務省のデータを見て頂ければわかりますが、60代以上のEC利用率は20-30代を上回っています。
総務省|平成27年版 情報通信白書|インターネットショッピングの利用状況 :
大きな商品を家まで配達してくれるECは、シニア層のニーズに合致しており、潜在ニーズは非常に大きいです。もはや、情報リテラシーの問題でもありません。
 
それでは、その潜在ニーズに応えるにはどうしたらよいかを
できるだけシニアの目線に立って探っていきましょう!
 

(1) 必要とする「コト」が違う!

「マキタの掃除機」ってご存知ですか?
これシニア向け市場で、大ヒット商品になってるんですけど、電動工具メーカの「マキタ」が通販限定で販売しているコンパクト掃除機です。
軽い!・取扱しやすい!・安い!とういうのが訴求ポイントです。
特に「軽さ」が大きな魅力で、売れています。
若年層から見たら「軽さ」は購買決定のポイントではありませんが、シニア層から見たら重要なポイントです。
若年層と、同じモノを同じ訴求で販売しても売れないということです。
商品・サービスに対するニーズが若年層とシニア層では違うのです。
 

(2)買う場所が違う!

ショッピングセンター来店者を見て頂ければわかります。
若年層はリアル店舗を見て回ります。回遊するのが楽しいです。
シニア層は、大きな店を探して回るのを避ける傾向があり、ショッピングセンターは避けがちです。
逆にシニア層は、小規模のなじみの店で継続購入する傾向が強いです。
 
「ECモール」が「ショッピングセンター」だとしたら、
シニア向けには「ECモール」と違う手法が必要となってきます。
自社サイトで、固定客を育成する手法もそのひとつです。
 

(3)購買経験が違う!

20才の人が人生で経験してきた購買回数が1000回ぐらいだとしたら、
60才の人の累計購買回数は、数万回以上になります。
その中には、「失敗」も数多く含まれ、学習し、独自の購買プロセスをつくります
 
ビッグデータ分析でも明らかなのは、クーポン等・価格訴求に若年層のほうが
敏感に反応し、年令が上がれば、反応率が減少します。
これは、クーポンに釣られて購入した商品・サービスが想定通りでは無かった
経験から、簡単には反応しないプロセスが構築されているのが理由と想定されます。
 
逆に年令が上がれば、反応率が増加する「購買プロセス」はなにか?がわかれば
シニア向けビジネスの大きなヒントになります。
 
次回以降、その「購買プロセス」と、対応手法を探っていきたいと思います。
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