すでにDXに取り組まれているあなた、今更なんやねん、そんなことはとっくにわかっている。とおっしゃるかもしれませんが、少しお付き合いください。
結論から言いますと、DXとは顧客満足を圧倒的なスピードで実現する、ということです。
そうだろ、だから、それを実現するためにデジタル技術を使うからDegital Transformationなんやろ、とおっしゃるあなた。ん~ん、惜しい。
手段としてデジタル化をしようとするのは、変革(transformation)ではなく、改革(Rreformation)です。この辺りのニュアンスをしっかり区別して理解しておかないと、無駄な投資で終わってしまうことをまずは肝に銘じてください。
そしてデジタルやアナログといっている時点で既にDXには乗りそこねていることもです。
(なんでやんね!、のお怒りの気持ちをもう少しこらえてくださいね)
経済産業省が発表した2018年の「DXレポート」、2020年の「DXレポート2」に記載されている内容を要約すると、(少し乱暴な表現ですが)
過去の成功体験や仕組みを捨てて新しい仕掛けや基盤を作り、変革していかなければならない。そのためにはデジタルを大いに活用し新たなビジネスモデルを構築していく必要がある。
と述べられています。
あくまでも「大いに活用し」です。「デジタルを活用し」ではないのです。
デジタル化を目的とした変革ではなく、「圧倒的な速さで」を目指した場合、デジタルを利用するのがごく自然なことだからです。
つまり、アナログ、デジタルと分けること自体がナンセンスな時代となっていると言えます。
現在多くの方が何かを始める際の最初の入り口がスマホ(=デジタル)であるとは思いませんか?
今までは、アナログ、デジタルとの使い分けを意識して行ってきましたが、最近ではデジタルを入り口、その先の出口がデジタルであり、アナログであったりすることになってきました。
デジタルがごく当たり前の様になってきたため、あえて「デジタルで」とか「デジタルを」とか意識する必要がなくなっているということです。
改革時代は手段(デジタル化)が目標になっていたこともありましたが、DXの時代では結果として「デジタル」だったということです。
つまり、主体はあくまでも「新たな仕掛けを作り、利用してビジネスをすすめていく」ということでその結果として「デジタル技術を利用した」となります。手段が目的の「デジタル技術を利用して」ということではないということです。
例えば、出前を行っていなかった飲食店が出前を始めるとします。そのデリバリーにウーバーイーツなどのデリバリーサービスを利用する、注文は予約サイトやFAXを利用する、といった仕組みを作ったとします。
これも1つのDXと言えます。
顧客(=注文者)の満足(=出前をしてほしい)を圧倒的な速さ(=既に仕掛けが構築されているデリバリーサービス、Web予約システムを利用して)で実現する、ということです。
くどいようですが、主体はあくまでも「新たな仕掛けを構築する」その結果として手段にデジタル技術も利用したということです。
この辺りをしっかり理解して取り組まないと、デジタル化に縛られた単なる業務改善・改革作業となり、正しくDX(変革)を行った競合他社に太刀打ちできなくなるということを覚えておいてください。(圧倒的なスピードに負けてしまいます)
今からでも遅くはありません。改めてDXの観点から業務を見直してみては如何でしょうか。
コメント